新規事業の立ち上げ方とは?:イチから10のステップ毎に解説

新規事業の立ち上げ方とは?:イチから10のステップ毎に解説

成熟した社会で新規事業の重要性が増していることは、「両利き経営」でも語られているところです。

世の中の変化のスピードが速くなっています。技術、規制、そして消費者の嗜好の変化が加速している。変化に直面すると、大企業が衰退し始める割合が高まることが分かっています。

あるコンサルティング会社の調査では2015~25年の間に、米国の経済誌フォーチュンの売上高ランキングに入っている米国の大企業500社のうち、半分が脱落すると予測していました。倒産ということではなく、長期的な衰退に入るという意味です。大企業がいかにして成長分野に移行するかが、ますます重要になっているのです。

オライリー教授「変化の時代、両利きの経営を」(日経ビジネス)

▼参考:オライリー教授「変化の時代、両利きの経営を」(日経ビジネス)

ここでは、新規事業の立ち上げ方をステップ毎に解説していきます。

目次

発見フェーズ

step1.良い新規事業のアイデアを得る

「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではない。1/4インチの穴が欲しいのである。」

セオドア・レビット

▼参考:「マーケティングマイオピアの復習」(Harvard Business Review)

マーケティング大家のハーバード大学セオドア・レビット教授の言葉にもある通り、顧客はモノそのものではなく、そこから得られるベネフィットを求めています。実際にビジネスとして進めるためには顧客や社会へのベネフィットがあるアイデアが必要となります。

しかし、何もないところからそういったアイデアを生み出すのは難しいものです。新規事業のアイデアを生み出すテクニックもありますので活用していきましょう。

【新規事業アイデア発想法】
①スタートアップアイデアマトリクスから考える
②トレンドを分析する
③自身が望むものを作る
④未来からの逆算(バックキャストアプローチ)で考える
⑤タイムマシン・コピーキャットアプローチを使う
⑥自身の強み(競争優位性)を活かす
⑦テクノロジーの変化を活用する
⑧世界の課題(SDGs)から考える

参考:「【アイデアに困らない】新規事業・スタートアップアイデア 8の発想法」

step2.アイデアを評価する

step1で生み出したアイデアは現段階では複数あると思います。全てを検証していくことは現実的には困難なため、生み出したアイデアを絞り込むために評価を行っていきます。

世界トップのアクセラレータであるYcombinatorは新事業及びスタートアップのアイデアを評価するポイントとして6つのポイントを挙げています。

1.多くの人が抱えているか:一部の人のみが抱えている課題になっていないか

2.成長しているか:課題を抱えている人は増えているか

3.緊急化:人々はその課題を早く解決したい(早くベネフィットを得たい)と考えているか

4.高価か:自ら解決するにはコストが高すぎる課題か(≒自分で簡単にできるならソリューションは不要)

5.必須か:(課題によるが)法律の改正等で対応が必須なものか

6.頻度は高いか:その課題は頻繁に発生しているか

▼参考:「アイデアの評価の仕方」(Y Combinator)

こうしたポイントが全て押さえられている必要はありませんが、少なくとも3つor4つはあるべきとしています。

step3.ビジネスモデル(リーンキャンバス)を作る

事業計画:投資家が書かせるが、投資家自身は読まない資料。

ビジネスモデル:あなたのビジネスを説明する1枚の図。

– Steve Blank

スタンフォード大学の起業家教授であるスティーブ・ブランクは、数十ページに渡る事業計画書を「投資家が書かせるが、投資家自身は読まない書類」と述べています。

この段階で必要とされるのはそうした重厚なビジネスプランではなく、「誰に対して」・「どのようなベネフィットを提供するのか」、を検討・整理するものです。

ここで役立つフレームワークとしてリーンキャンバスがあります。

リーンキャンバス

リーンキャンバス

リーンキャンバスを用いることによって、自らのビジネスアイデアの検討・整理が進むこと、社内や外部の人間に対して自分の考えの共有が容易になることのメリットがあります。

▼参考:「リーン・キャンバスは従来のビジネスプランに取って代わることができるか」(BSchools)

検証フェーズ

step4.アイデアとソリューションを検証する

選定されたアイデアをプロダクトとして形にする前に、実際に顧客のニーズがありそうかを、プロトタイプを用いて検証します。ここでのプロトタイプは例えば以下のようなもの・検証方法を指します。

・LP:ランディングページを作成し、どの程度アクセスがあるか、ユーザー登録があるかを検証する。
・パンフレット:製品のパンフレットを作成し、実際に顧客に説明して反応を見る。
・ワイヤーフレーム:実際のプロダクトをイメージした画面を作成し顧客の操作感、反応を見る。
・動画:製品の特徴、動きを表した動画を作成しアクセス数やどのくらいの長さを見たかの反応を見る。

時間を要する実際のプロダクト・サービス開発の前に、顧客にはニーズがあるのか、どの機能が特に気に入られるのか、を事前に検証することで、無駄なくプロダクト開発に進めます。

▼参考:「プロトタイプとアイデアをテストする方法」(MIT Bootcamps)

step5.MVPを構築する

MVP(Minimum Viable Product)とは、「顧客に提供するために構築する最小限のプロダクト」のことを指します。

MVP構築
Interaction Design Foundation

この例では顧客が望んているのはホイールではなく、「移動ができる手段」となります。これを検証するためには、ホイールではなくスケートボードでの検証実施がファーストステップとしては望ましいものになります。

この例のように、MVPとしてどのような形態で作るのか、どの機能を優先的につくるかは、step4で検証した顧客のニーズに基づいて決められるべきです。

▼参考:「MVPとデザイン」(Interaction design FOUNDATION)

step6.測定と改善を繰り返しPMFを目指す

MVPを顧客に利用してもらうことにより、フィードバックとして定量・定性的なデータが集まってきます。このステップではその結果を解釈し、改善を進めPMF(Product Market Fit)を目指します。また、計画立てに時間をかけるよりスピード感をもって測定と改善のサイクルを回す方が結果としてよいプロダクトに繋がるため、スピードを意識することが重要となります。

▼参考:「目的を達成するには、速さがスマートさに勝る」(MIT Sloan Management Review)

参考:「スタートアップや新規事業にとって最も重要なProduct Market Fit(PMF)とは何か?」

成長フェーズ

step7.ビジネスの持続可能性を構築する

ビジネスとして自立させるためにはキャッシュを持続的に生み出す必要があります。そうした際に指標となるのがLTVとCACの比率になります。

LTV / CAC > 3

 LTV(Life Time Value):顧客が生涯にわたって製品に費やす金額

 CAC(Customer Acquisition Cost):顧客を獲得するコスト

これは、顧客獲得コストの3倍程度のLTVがあることが望ましいとされており、少なくとも2倍はあることが今後の自立性やマーケティング投資の判断基準になっていきます。

▼参考:「LTVとCACの比率」(baremetrics)

step8.資金を調達する

ビジネスの検証フェーズで、顧客獲得の目標数字とPMFが達成されていれば、成長に向けて資金を調達していきます。社内の新規事業として予算を獲得するケース、外部のベンチャーキャピタル、銀行、アクセラレータからデットやエクイティで調達するケースがあります。

ここでの調達理由は主に以下のものがあり、それに応じて、今後数年間で必要な資金を試算し調達していきます。

・メンバーを増やす
・マーケティングに投資する
・研究開発をスピードアップする

▼参考:「スタートアップ資金調達マニュアル」(baremetrics)

step9.チームビルディングを行う

新規事業の初期段階においては、数人で事業開発を行い、セールスやマーケティング、カスタマーサポートを兼任することもあります。ただ事業が拡大するにつれ、より多くの顧客に対応する必要があり、特定の高度なスキルが求められるようにもなります。

そこで調達資金を用いて人員を拡大していくことになります。数年間の計画のうちにどのスキルを持つ人的リソースが不足するかを計画した上で、必要となる人員の採用を進めます。

しかし、経営的にはキャッシュフローを柔軟にしていくためにも、外部に委託することを検討するとよいでしょう。

▼参考:「会社のステージ別の最適な従業員数」(Coral Capital)

step10.マーケティング投資でグロースする

step7でLTVがCACを上回っていることを検証した上で、特に顧客の拡大を目的としてマーケティング投資を行います。PMFの段階では、市場の中でも特定の、早期に利用してくれる顧客に絞ってプロダクト・サービスを提供しているため、満足度は高いものの、市場の中では認知度があまり高くない状態にあります。そこでマーケティングとしてオンライン・オフラインの広告を中心として投資を行いアーリーアダプター以降の顧客を獲得し事業を成長させます。

▼参考:「グロースハックとマーケティングの違い」(tnw)

まとめ

今回は「イチからはじめる新規事業の立ち上げ方」として新規事業のステップを解説していきました。実際には一つ一つのステップの中で苦労する点、リソースが足りない点が出てくるかと思います。もし新規事業の構築においてお困りごとがある場合は一度ご相談いただければと思います。

>>> SCENTBOXの新規事業創出支援


この記事が新規事業の立ち上げの参考になれば幸いです。

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参考文献とおすすめ記事

▼「制限時間は20分!スタンフォード生が考えた、「日本企業を救う事業アイデア」」(Forbes)

▼「Build a versatile startup team to make pivots easier」(TechCrunch)

▼「The Secrets to Corporate Longevity」(Stanford Business)

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この記事を書いた人

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